図書館からの推薦本

はじめての:島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都

 

YOASOBIを知っていますか?小説を音楽にして主に配信で発表している音楽ユニットですが、最近はCMなどでも楽曲を耳にする機会があるので、音楽に興味のない人でも聴いたことがあるかもしれませんね。

このYOASOBIとのコラボレーションを前提に、4人の直木賞作家が「あなたに贈る、はじめての読書体験」というコンセプトで書き下ろした小説を集めたのが、この本です。すべてに「はじめて〇〇した(になった)ときに読む物語」という副題がついています。

アンドロイド、ユウレイ、パラレルワールド、タイムマシーン…一見新しいものや奇想天外なものを扱っているようですが、そこは直木賞作家の方々、斬新なだけで終わっているのではありません。流れている心は、古今東西変わらないもの、といえるのでしょうか。そんな物語の数々です。

それぞれの物語をもとにした楽曲も配信されています。合わせて楽しむのもよいかもしれませんね。

(司書 山中)

2022年11月19日

東京タイムスリップ1984⇔2021:善本喜一郎

 

1984⇔2021の写真と記憶。
新宿、渋谷の繁華街をメインに撮影されていますが、代々木八幡の踏切(124頁)や東京駅ホーム(104頁)など、特段気に留めないような場所も写っていて逆に新鮮です。

カメラアングル、季節や時間など、同条件で撮影されているので、この時代を知らない世代でも不思議とノスタルジックな気持ちにさせてくれます。

37年前の東京は、全く違った風景だと思っていましたが、案外変わっていない場所も多いことが分かりました。
例えば西武渋谷店(72頁)は信号の位置以外は全く変わっていません。

人の記憶とは本当に曖昧なものです。
写真に残すことは、人の記憶の補完として大事な作業ですね。

今はすぐに写真を撮ることができる時代です。何気なくスマホで撮った風景が、貴重な一枚になるかもしれません。

(スタッフ 鎌田)

2022年11月01日

いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学:小林百合子文 小幡彩貴絵


先達に訊け!

世の中、人生への様々な格言があふれ、生き方についての助言が書かれた本が山ほど出版されていたりします。
でも、それらは、昔の偉い人や、成功経験がある人の、いわば「勝ち組」からの「お言葉」で、「そうは言ってもね…」と若干の反感を覚える人もいるでしょう。

その点、この本は、動物からの回答という体で書かれている分、「まあ、こんな考え方もありかもね」と多少は素直に感じられます。
さらに、回答に至った理由として、回答した動物の生態についても書かれていて、悩み相談とともに動物の生態にも詳しくなれる、一石二鳥の効果もあります。
ところで、図書館では「人生について書かれた本」と、「動物について書かれた本」では、並べる場所が全く違います。

この本はどちらに並べれば良かったでしょうね…。(この図書館では「動物について書かれた本」の場所に並べてみたのですが。)

(司書 中島)

2022年10月12日

海獣学者、クジラを解剖する。海の哺乳類の死体が教えてくれること:田島木綿子

皆さんの中には将来、動物に関係した仕事に就きたいとか、水族館で働きたい、または獣医師になりたいなど希望している人はいますか。では、その理由は何ですか。何に興味があるからですか…

一口に生き物に関する仕事と言っても、実にさまざまな職業があり、生き物にアプローチできるチャンスは多々あります。著者の田島さんは、主に海に打ち上げられたクジラを解剖し調査研究をする、国立科学博物館の研究者で獣医師でもあります。海辺に打ち上げられたクジラの一報が入ると、全国どこへでも駆けつけ、腐敗の進行と戦いながら解剖し回収するのだそうです。実際に体験されたエピソードや苦労話、その舞台裏が紹介されています。

また、クジラだけでなく海の生き物たちの生態の不思議にも触れ、その内容は海の生き物を取り巻く環境問題などにも及び、興味関心の幅が膨らむ一冊です。

分野にかかわらず、何歳になっても探究心が尽きないこと、また没頭するほど好きなことがあるのは素敵だな、とつくづく思います。皆さんもぜひ「自分の好きなこと」に没頭する時間を確保してほしい、とこの本を読んで思いました。        

(司書 古川)

2022年09月29日
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