図書館からの推薦本

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史上最高の航空機設計者ケリー・ジョンソン自らの人生を語る : クラレンス・"ケリー"・ジョンソン, マギー・スミス


「スカンクワークス」を知っていますか?

ミサイルが届かない超高空から偵察を行うU-2。ミサイルよりも早いマッハ3で飛行するSR-71偵察機。安価でありながら超音速で飛行でき、自衛隊にも採用されたF-104戦闘機、世界初の実用ステルス機であるF-117攻撃機。現時点で世界最強とされるステルス戦闘機F-22「ラプター」。自衛隊での採用が始まったステルス戦闘機F-35「ライトニングII」。
これらの革新的飛行機は、ロッキード社の「スカンクワークス」と呼ばれる開発部門で生み出されました。

この本は、そのスカンクワークスの創立者である「ケリー・ジョンソン」が、自らの人生を振り返って書いた自伝です。
何がきっかけで飛行機の設計者になったのか、スカンクワークス設立の経緯、革新的なアイディアを生み出す手法など、航空機に興味がなくても、「人との協同」を考えるうえでヒントになることがたくさん書かれています。
そして、飛行機マニアには、特にこの本はお勧めです。数々の革新的飛行機はどのような背景で開発されていったのかが書かれていますから。

残念ながら、「ケリー・ジョンソン」自身は、1990年に80歳で亡くなっていますが、スカンクワークスは、その後も革新的な飛行機を生み出し続けています。これは、「ケリー・ジョンソン」の意志が後続に引き継がれたおかげなのでしょう。

(司書:中島)

2021年01月06日

ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」:山極寿一


 著者は、京大の総長であり、霊長類学・人類学者です。特に、アフリカの現地で自らゴリラの社会に溶け込み参与観察をし、その生態を研究したこの分野での第一人者です。

 ところで、皆さんは、サルとゴリラの行動は似ていると思いますか。山極先生によれば、両者は全く違うらしいのです。ボスザルという言葉を耳にするように、サルの社会ではボスが存在し、サルは仲間と食べ物を分け合い、仲良く向かい合って食べるということはしません。競争社会なのです。一方、ゴリラの社会は、群れの仲間の顔を見つめ合い、しぐさや表情で感情の動きを読み取りながら暮らすのだそうです。そんなゴリラの社会から見た現代人への警告とは何でしょう・・

 どうやら現代の人間は、勝ち負けばかりを気にし、自分にとって都合のいい仲間ばかりを求め、閉鎖的な個人主義を作ろうとしている。つまり、互いの顔を見て、感情を読み取る感覚が薄れてしまい、信頼関係を築くことを忘れているのではないかとの警告のようです。
さて、日頃の自分の行動や感覚はどうでしょうか。振り返るきっかけになる一冊です。

(司書:古川 郁)

2020年12月23日

劇場:又吉直樹


究極に不器用な二人の恋愛模様を描いた物語。

キラキラした人生を歩むことは、何年経っても決してあり得ないのだろうと思わせる主人公の男女二人。平凡すぎるほど平凡で、ここまで平凡で不器用な人っている?と思ってしまうほどのレベルであることがクセになって、どんどん読み進めてしまいました。

大都会でひっそりと、脚光を浴びることもなく、大きな幸福もなく生きている人…でも実はこういう人がほとんどなのが現実社会。市井の人が懸命に下手な生き方をしている姿を丁寧に書いているところが、不思議と共感を持てる作品です。小説を読むと「しょせん小説の中だけの話」と思ってしまう人に薦めたい小説です。

2015年の芥川賞受賞作家です、又吉直樹。でもこの作品は芥川賞作家にありがちな「時系列が複雑で読みにくい」「表現が凝りすぎて、よくわからない」「浮世離れしていて内容が入ってこない」などということは一切ない作品なので、日ごろ本を読まない人でも大丈夫ですよ。

(司書 山中)

2020年12月10日

思わず考えちゃう:ヨシタケシンスケ


絵本作家、ヨシタケシンスケさんの初エッセイ集です。身近なものや人、出来事に対してついつい考えてしまうヨシタケさん。フツウは全く何とも思わないことを深く考えて、あーだこーだと悩むのですが、意外と前向き。
繊細で感受性が豊かだからこそのヨシタケワールド。そして、挿絵がよりわかりやすくしてくれています。
どこから読んでも大丈夫。気軽に読んでもらいたい一冊です。

(スタッフ 鎌田)

2020年11月18日
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